気持ち良さそうに話す父さんと気の抜けたコーラ

気持ち良さそうに話す父さんと気の抜けたコーラ

読書をすることは大好きなことの一つだけどどんな本でも読むわけではない。
江國香織の文章にとても魅力を感じる。
非常に長いこと同じ本を読み続けているほどだ。
登場人物の梨果は、8年を共にした恋人の健吾に別れを告げられてしまうが、その引き金である華子と一緒に住むようになるというとても奇妙な物語だ。
ラストは衝撃的で大胆な形だがそれを知ったうえで内容を思い出すと「確かに、そうなるかもしれないな」というのを匂わせている。
そして、何よりも江國香織はワード選びや登場する音楽や、物などお洒落。
たとえば、ミリンダが出ればミリンダが飲みたくなるよう書いてあるし、べリンダ・カーライルや古内東子といった音楽が出ればつられてCDをかけてしまう。
言葉の選択の仕方が優れている。
それ以外も、悲しい美しさだと思った、といったセンテンスがどこで生み出されるのだろう。
そんな文章に虜にされ、夜に何回も同じ江國香織の本を読んでしまう。
好きな作家さんの本との夜更けの時間が夜更かしのきっかけなのだろう。

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青年
あなたが考える「青年」と、みんなが思う「青年」は、もしかするとまるっきり違っているのかも。そう考えると、ちょっぴり変な感じがする。
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